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漢方の考え

漢方の基礎知識

 

漢方は、数千年の歴史を持つ中国伝統医学が日本に伝わり、日本独自に発展した医学です。現在ホリスティックな医学として注目を浴びている中医学(中国伝統医学)は、東洋医学を系統的で論理的に学べる医学です。国際中医師でもある先代が中医学を学び、さらに漢方の知識や興味を深めることができました。


中医学と漢方には相違する点も多分にしてあるのですが、美漢方プロジェクトでは、中医学を基本にした漢方として捉えられていただければと思います。

陰陽五行説

漢方の基本となる思想に「陰陽五行説」があります。これは大きな宇宙に存在する私たち人間の体も自然界の小宇宙であり、決して切り離すことのできないものである東洋哲学の理論です。易学もこの陰陽五行を基本に現在も活用されています。

五千年近く前ともいわれる古代中国で生まれた東洋哲学が、生活環境などの変化や科学が発展した今でも受け継がれ手いるのには、先人が築き上げた経験の集大成であり、生きることを根本から考える日々の生活に密着した学問であるという事が良くわかります。

実際に、陰陽五行説の例をあげてみましょう。

陰と陽

自然界には光と影のように、相反する二つの存在があります。どちらが大きすぎても、どちらが小さすぎてもバランスが取れないのです。お互いを助け、ときには抑えながらバランスを保ち、バランスが崩れてしまうと何かしらの異常が現れます。自然界でいうと、異常気象などがそうであり、人間の体でいうと病気や体調不良などがそうです。


五行

続いて、五行です。

自然界にあるすべてのものは、五行(木火土金水)によって構成されていると考えられています。

宇宙の森羅万象はすべてこの五種類によって成立しているのです。

この五行を自然界の事物や人間の体になぞらえ分類されています。その一部が下にある五行の色体表です。ここに挙げたものは、ほんの一部ですが、このように様々な分類がされているのです。

五行の色体表

五行 五季 五味 五藏 五主 五色 五方
血脈
長夏 肌肉 中央
西


相生と相克

五行(木火土金水)には、相生と相克という二つの関係があります。これは自然界で成り立っているバランスのとれた関係で、相生・相克のバランスが崩れてしまうと、さまざまな異常が現れると考えます。

相生とは 相克とは

木火土金水を循環する自然のバランスで、生み育てる関係です。

木→火→土→金→水

木が燃えて、日を生む。

日が灰となり、土を生む。

土が鉱物を生み、金が作られる。

鉱物があるところに水が集まる。

水は木を養う。

相手を抑制する関係です。

木克土
木は土から養分を吸い上げる

土克水
土は水の流れを止める

水克火
水は火を消す

火克金
火は金を溶かす

金克木
金は木を切り倒す


気血水について

漢方では、体は気血水で構成されると考えます。

「気」・・・目に見えない生命活動に活力を与える機能や働き

「血」・・・血液だけではなく、生命を形作るエネルギーも含みます。気の力によって廻っているもの

「水」(津液)・・・唾液や胃液、涙、汗などの体内に存在する正常な水分のこと。血を構成する成分にもなります。


中でも、気の概念は漢方の特徴であり、特に大切に考えられるものです。「気」は陰陽では、陽に属します。(「血」と「水」は陰陽では陰に属します。)

病気に対する抵抗力、生命力が正常に働いている状態を正気といいます。一方、正気に悪い影響を及ぼし、体に害を与えるものが邪気です。体がバランスよく保たれた状態は、正気に充ち溢れ、邪気を跳ね返す力を持っています。

気血水のバランスが崩れると様々な状態を生みます。

気虚・・・気が足りない状態

気滞・・・気が滞っている状態

血虚・・・血が足りない状態

瘀血・・・血がどこかで滞る状態

陰虚・・・水が不足した状態

痰湿・・・水分が過剰な状態





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